認知症対策net

認知症の予防や対策に関する情報を綴ります。

一番つらいのは本人なのです

認知症は進行すると、脳の細胞が壊れて、記憶したり認知する能力が失われ、ぼんやりしたり、無気力になったり、怒りっぽくなったりします。

今までできていたことができなくなり、介助が必要になっていきます。まわりの家族にしてみれば、進行するにつれて、どう扱えばいいのかわからなくなって、介護の負担も急速に増えていきます、

ですが、だからといって、感情やプライドまでが失われていくかといえば、そうではありません。

「ボケてしまえば分からないだろう」という人もいますが実際にはそうではなくしっかり存在しているのです。

今までの自分がどんどん失われてゆき、記憶も認知能力も低下してゆく自分にただひたすら怯えているのです。

これから一体どうなってしまうのだろうと不安になったり、周りで何が起こっているかも理解できず、これまでできていたことができなくなり、イライラする事もあるでしょう。

自分が回りにどれだけ迷惑をかけているか、どう思われているかちゃんと感じ取っているのです。

認知症になって一番ショックを受けているのは他の誰でもなく、認知症になった本人なのです。

介護だ、大変だ、という前に、まずは本人の立場に立って考えてあげる事が何より大切なのです。

認知症の定義

今では「認知症」という言葉自体、すでに多くの人に知られる言葉になりましたが、その知名度に比例して、その内容が正確に理解されているか、というと、決してそうではありません。

実は認知症という病気は思っている以上に複雑で誤解の多い病気なんですね。そういった誤解を招かないためにも、まずは認知症の定義からご説明していきたいと思います。

まず、認知症とは、生まれてから一旦正常に発達したが、様々な精神機能が慢性的に低下し、日常生活や社会生活に著しく支障をきたす状態をいいます。

つまり脳の神経細胞が破壊されて、元に戻らず、意識がハッキリしている時に色んな事に対する判断を下したり、記憶したりする能力が障害を受け、脳の高次機能が永続的に失われてしまうものです。

あえて「生まれてから一旦」とされているのは、認知症後天的な原因によって引き起こされるもので、先天的な原因による知的障害精神遅滞とは異なるという事を意味しているためです。

脳血管性認知症

脳血管性認知症認知症の中でも患者が多く、「三大認知症」の1つです。脳の血管障害が原因となり、脳梗塞脳出血くも膜下出血など、脳の血管の病気に よって引き起こされます。この脳梗塞脳出血くも膜下出血は重大な病気です。

しかし、それらによって脳の血管が詰まったり、出血したりすると、脳の細胞 に酸素が行き渡らなくなります。すると脳の神経細胞が死んでしまい、認知症を発症するのです。

男性の方が女性よりも多く発症している認知症です。アルツハイマー型が徐々に進行するのに対して、よくなったり悪くなったりを繰り返し進行します。

多発性 脳梗塞などで、小さな脳梗塞が何度も起きている場合、脳梗塞が起きる度に症状が悪化していきます。また障害を起こした脳の場所によって、起きる症状が変 わってきます。

 

■脳血管性認知症の原因
多くは、脳の太い血管(皮質性)や細い血管(皮質下性)が詰まり(梗塞)、酸素が運ばれなくなり、神経細胞やそこから出る神経線維が壊れて認知症になります。
また、脳血管が破れた脳出血の後遺症(脳出血性)として、認知症になることもあり、脳の海馬や視床(ししょう)といった記憶に関係する部位(限局病変型)に脳卒中が起きて認知症になることもあります。
さらに、脳の血の巡りが悪く(低潅流(ていかんりゅう)型)認知症になることもあります。

もともと、高血圧、糖尿病、脂質異常症コレステロール値の高い人)、膠原病(こうげんびょう)(関節リウマチなど)、血液が固まりやすい人、ストレスに弱い人、喫煙者には、脳卒中がよく起こります。そこで、これらを脳血管性認知症の危険因子と呼びます。

■脳血管性認知症の症状
アルツハイマー病とよく似た症状が現れますが、アルツハイマー病は徐々に悪くなるのに対し、脳血管性認知症は階段状に悪くなるとか、症状の動揺があるのが特徴です。

細い血管の梗塞による場合には徐々に進行します。また、記憶障害より運動障害や感情障害が目立ちます。

初期から歩行、嚥下(えんげ)、発語の障害が現れるため、パーキンソン病と似た加速歩行など、脳血管性パーキンソニズムの症状も出ます。元気なく、やる気のない抑うつ状態の人もあります。その場にそぐわない泣きや笑い(感情失禁)がみられる人もあります。

 

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、アルツハイマー認知症に次いで多い認知症です。1976年に、日本の小阪憲司(現横浜市立大学名誉教授)らによって報告され、1995年にレビー小体型認知症という名称が付けられました。

レビー小体病はアルツハイマー病、血管性認知症に次いで3番目に多い認知症です。認知症患者さんのなかでの割合としては、およそ20%くらいです。
100人中何人といった有病率は明確ではありません。

レビー小体型認知症の症状

はじめに、便秘、嗅覚異常、うつ症状、レム睡眠行動障害が現れることが多いといわれています。その後、段取りの悪さ、物忘れ、立ちくらみ(起立性低血圧)が出現し、さらに認知機能の変動、繰り返し出現する幻視、パーキンソン症状)が現れます。

中期になると、パーキンソン症状が強くなり、歩行が困難になってきます。また、認知機能の悪い時間帯が長くなってきます。つまり、見当識や理解力が落ちて、周囲の人と心を通じ合わせにくい時間帯、記憶の悪い時間帯が増えてきます。

後期では、パーキンソン症状、認知障害がさらに悪化し、日常生活に常に介助が必要になります。
車椅子の利用を余儀なくされる方が多いです。嚥下障害も目立ってきます。認知の変動は徐々に目立たなくなり、常に悪い状態となってきます。

アルツハイマー型認知症

 認知症とは、認知機能の障害・病気によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態の総称です。

一言で「認知症」といっても、実は色んな種類の認知症があるわけですね。昔は「痴呆症」と呼ばれていました。

まず、代表的な認知症ともいえるアルツハイマー認知症について。

アルツハイマー認知症の症状

アルツハイマー認知症は、認知症の中で一番多いとされており、男性よりも女性に多く見られ、もの忘れから気付くことが多く、今まで日常生活でできたことが少しずつできなくなっていきます。

新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなるなどが特徴的です。また、物盗られ妄想や徘徊などの症状が出ることがあります。

問題には以下のようなものが挙げられます。

  • 迷子になる
  • お金の取扱いや請求書の支払いに問題が生じる
  • 質問を繰り返す
  • 普通の日常作業をこなすのに時間がかかるようになる
  • 記憶障害や錯乱が悪化する
  • 家族や友人を認識しにくくなる
  • 新しいことを覚えられない

アルツハイマー認知症の原因

アルツハイマー病の原因はまだ完全には解明されていませんが、長い期間をかけて脳の中で生じる、複雑な一連の事象によって発症することが次第に明らかになってきました。原因としては、遺伝、環境および生活習慣などの複数の因子が絡み合っていると考えられます。