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脳血管性認知症

脳血管性認知症認知症の中でも患者が多く、「三大認知症」の1つです。脳の血管障害が原因となり、脳梗塞脳出血くも膜下出血など、脳の血管の病気に よって引き起こされます。この脳梗塞脳出血くも膜下出血は重大な病気です。

しかし、それらによって脳の血管が詰まったり、出血したりすると、脳の細胞 に酸素が行き渡らなくなります。すると脳の神経細胞が死んでしまい、認知症を発症するのです。

男性の方が女性よりも多く発症している認知症です。アルツハイマー型が徐々に進行するのに対して、よくなったり悪くなったりを繰り返し進行します。

多発性 脳梗塞などで、小さな脳梗塞が何度も起きている場合、脳梗塞が起きる度に症状が悪化していきます。また障害を起こした脳の場所によって、起きる症状が変 わってきます。

 

■脳血管性認知症の原因
多くは、脳の太い血管(皮質性)や細い血管(皮質下性)が詰まり(梗塞)、酸素が運ばれなくなり、神経細胞やそこから出る神経線維が壊れて認知症になります。
また、脳血管が破れた脳出血の後遺症(脳出血性)として、認知症になることもあり、脳の海馬や視床(ししょう)といった記憶に関係する部位(限局病変型)に脳卒中が起きて認知症になることもあります。
さらに、脳の血の巡りが悪く(低潅流(ていかんりゅう)型)認知症になることもあります。

もともと、高血圧、糖尿病、脂質異常症コレステロール値の高い人)、膠原病(こうげんびょう)(関節リウマチなど)、血液が固まりやすい人、ストレスに弱い人、喫煙者には、脳卒中がよく起こります。そこで、これらを脳血管性認知症の危険因子と呼びます。

■脳血管性認知症の症状
アルツハイマー病とよく似た症状が現れますが、アルツハイマー病は徐々に悪くなるのに対し、脳血管性認知症は階段状に悪くなるとか、症状の動揺があるのが特徴です。

細い血管の梗塞による場合には徐々に進行します。また、記憶障害より運動障害や感情障害が目立ちます。

初期から歩行、嚥下(えんげ)、発語の障害が現れるため、パーキンソン病と似た加速歩行など、脳血管性パーキンソニズムの症状も出ます。元気なく、やる気のない抑うつ状態の人もあります。その場にそぐわない泣きや笑い(感情失禁)がみられる人もあります。